本日はイケベ楽器さんの方にフィンランドのギターメーカー「Flaxwood」の最新モデルが入荷しておりましたので、そちらの話題を。

一見、モダンなボディシェイプのエレキギターと言った感じの「Flaxwood」製品。
しかし、ネックを含めた素材が一般的な木材とは異なります。
ブランド名にもなっているこの”Flaxwood”は、極小繊維にまで分解されたスプルースを使用した特殊素材。
木材由来ではありますが、一般的な木材とは異なる新しい素材なのであります。
昔は、合板や木材チップの成型素材を利用したエレキギターなども良く見かけたものですが、そうした素材が使われた理由は素材の安さからであります。
今では逆に環境保護やそれに伴う素材難から、新しい木材由来の新素材なども使われるようになりました。
しかし、理由はどうであれ、従来の天然木素材需要が廃れない理由としましては、やはり楽器である以上、木材ならではの音響特性が大変重要であるという事実があるからに他なりません。
そうした天然木素材に求められる要素が分かっていながら、あえて新素材へ挑戦したのがこの「Flaxwood」製品であります。

新素材としての”Flaxwood”は、高度に均一で、豊かな響きが得られる素材。
それでいて合成素材の強みとも言える、極めて狂いにくい、温度や湿度変化に強い素材でもあります。
そんな良い事ずくめの素材を生み出す事が可能ならば、最早天然木に拘る必要がないのではないか?と思われる所ですが、成形材にはもう一つ弱点があります。
それは導管を持つ木材とは異なり、どれも素材自体が重くなりがちという点であります。
これは、安価な家具などに使用されている木材チップ由来の成形材やMDF(木くず程の粉を接着剤で成形した木材由来の素材)などを想像して頂ければ分かりやすいと思います。
素材自体の密度が濃くなり、そこへ接着剤も混ざる事から木材よりも大分重い素材となってしまうのです。

しかし、Flaxwoodの製品は、ギターとしても軽めの3kg+ほど。
その秘密はホロウ構造のボディと背面を覆う”Flaxリゾネイター”にあります。
この独自構造により、従来のエレキギターの様な扱いやすい重量と豊かな鳴りとを両立させているのです。
こうした特殊な素材と構造を持つFlaxwood製品は、搭載されたピックアップの特性が素直に出やすいギターと言われております。
好みのピックアップを搭載してみたら一体どうなるのか?そんな楽しみがダイレクトに味わえる楽器なのかもしれません。
それでも、天然木以上の加工し易さや価格などを実現する新素材というのは難しいものだと思いますが、新しい楽器の形態としてはこうした新素材ギターがもっと発明されていくと面白いのではないかと思います。


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