知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。
ある程度ギターを練習して行くと、”慣れ”という感覚も身に付いて来るものだと思います。
すなわち、慣れ親しんだ自分のギターは弾き易いと感じますし、突然借り受けたギターは弾き難いと感じる事が起きたりもします。
借り受けたギターが所有ギターと同じ様なモデルか仕様であればあまり問題にはならないかと思いますが、借り受けたギターが全く違うモデル、ネックスケールやネックシェイプ、フレットの数の違い、ブリッジ形状の違い等の仕様の異なるギターであれば、自身のギターに慣れている分だけ混乱する事があると思います。
私が初めて手にしたエレキギターは、Fender Japanのテレキャスター。

Fender Japan / TL-STD
しばらく経ってから、同じくFender Japanのストラトキャスターを手に入れたと記憶しています。
テレキャスターで練習を始め、次にストラトキャスターを手にした時、一番驚いたのがボリュームツマミの位置でした。

Fender Japan / ST-STD
皆さんご存知のようにストラトキャスターのボリュームツマミは、テレキャスターに比べブリッジに物凄く近い位置に有るのです。
ある程度テレキャスターに慣れてしまっていた当時の私は、このボリュームツマミの近さに悪戦苦闘する事となります。
ブリッジに軽く右手が触れた状態でピッキングすると、どうしても右手がボリュームツマミに触れてしまい、意図しない音量変化を起こしてしまうからです。
気付かない内にボリュームがかなり絞られているなんて事が年中起きていました。
これに困った私は、そもそも何でこの位置にボリュームが付いているんだ?なんて疑問を持ち考え始めました。
元来、多くのギタービルダー達が同時に優秀なギタリストでもあるものです。
そんな、優秀なギタリストが設計した歴史的名機ストラトキャスターであるわけですから、わざわざ弾き難かったり問題が起きるような位置にボリュームコントロールを持ってくるとは思えません。
当時既に、ヴァイオリン奏法なんていう存在も知っていましたが、ボリュームポットが近い事を利用した奏法であり、初めからそんな特殊奏法を想定してのボリュームポットの配置とも思えませんでした。
では、何故右手がぶつかってしまうような位置にボリュームポットを配置したのか。
あれこれ試行錯誤した若かりし頃の私は、一つの結論に達しました。
嗚呼、自分のピッキング方法がいけないんだと・・・。
駆け出しで我流のピッキング動作をしていた私。
ボリュームポットが遠い位置にあるテレキャスターだから問題が起きていなかっただけなのです。
そこから思い直し、手首の回転や右手を構える時のアングルなどを研究し始め、しばらくするとストラトキャスターを弾いてもボリュームポットに触ってしまう様な事も減りました。(ぼぼ触れなくするには随分と時間がかかりましたけれど)
結果、仕様の違うギターに触れる事で、自分の欠点を知る事が出来たという訳です。
現在も所有している
Bill Laurenceのテレキャスタータイプ。
作りは、ヴィンテージレプリカと言った感じで、ネックシェイプは現在では珍しい部類のトライアングルシェイプです。
最初のFender Japan製のテレキャスターが一般的なU字シェイプでしたので、このギターを始めて手にしたときにはかなりびっくりしました。
正直、運指し難いと感じたものです。
U字シェイプとトライアングルシェイプ。ネックフィーリングは全く違う双方ですが、そもそも何故トライアングルは弾き難いと感じるのか?とまたそこで試行錯誤が始まりました。
とがったような三角だからネックが厚く感じ弾き難いのか?(当時は厚めに感じた物ですが、今となって考えればそれ程分厚いと言うほどではありません)
双方のギターを弾き比べ色々と運指を見直していったわけですが、またここでも自身の運指に変なクセがあることに気付かされました。
運指フォームを見直し、今一度基礎練習を徹底する事に勤めた結果、U字シェイプもトライアングルシェイプも特に気にする事無く扱えるようになって行きました。
どんな仕様のギターであろうとも、設計思想の違いはあれ奏者が扱い易いよう考えられている物です。
相性なんてものもあるかもしれませんが、「弾き難いと感じる=駄目な楽器」という訳でもないはずなのです。
最近では安価なギターも多数出回っており、全く仕様の違う別モデルを手軽に手に入れられる環境であると思います。
好みではないと敬遠しているモデルを手に入れ、練習に活用してみるというのも一つの方法ではないかなと思います。
仕様の違うギターに触れてみる事で自身の欠点を知る事にもつながるかもしれません。

Fender USA / Eric Clapton Stratocaster

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