ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その96。
今回は、ロックギターからは少し離れてしまう楽典知識かもしれませんが、世の中にはこんな和音も存在するという雑学的な話題です。
前回とりあげました”空虚五度”という音の組み合わせが原始的な和音であると考えるならば、(時代時代の流行り廃りはあれど)近代になればなる程、和音は複雑化していったものであります。
現在、基礎的な和音として扱われている三和音主体の時代から、ジャズなどの柔軟な音楽解釈の元使われる様になっていった四和音など。
音楽理論や解釈が拡大されていくに伴い、(構成音程の多い)複雑な和音が使われる様になってきました。
そんな近代・現代音楽において、和音はどこまで複雑になったのか。
それを示す有名な和音がロシアの作曲家「アレクサンドル・スクリャービン(1872-1915)」により生み出された神秘和音と呼ばれるものです。

ルート(根音)はCという例になりますが、譜面を見た限りではこれが和音として成立しているとは到底思えない様な音列です。
しかし、これを実際に鳴らしてみると、まさに神秘的な響きを齎すのですから不思議です。
一応、和音構成を確認しておきますと、
ルートであるC音に増四度(F♯)、短七度(A♯)、(オクターブ上)長三度(E)、長六度(A)、(さらにオクターブ上)長二度(D)という音程が順番に並んでおります。

ギターコードとして押さえるには少々難儀な神秘和音ですが、一音一音追っていく様に弾くのならば容易い筈です。
こうすれば、この複雑な和音の神秘的な響きが理解し易いと思います。
理論的な和音機能などよりも響きを重視して生み出されたとされるこうした複雑な和音。
理論に縛られる事のない自由な発想により生まれたこんな和音が存在するのも音楽の面白く奥深いところだと思います。
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昔、ギターを少しやったことがありましたが、Fコード弾く練習してできるようになったら辞めてしまいました(^^;
燃え尽き症候群のように・・・ギターを弾ける人、尊敬します!