ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その97。
今回は少し変わった形の4和音についてです。

最もシンプルな4和音の形を考えてみた場合、まず思い浮かぶのがこの4パターンだと思います。
”メジャー”トライアドor”マイナー”トライアドに対し、長7度を付加するか、短7度を付加するか。
それによりコードネームにも違いが生まれ、メジャートライアドに長7度を付加すればメジャーセブンス、短7度を付加すればセブンス(ドミナントセブンス)となり、当然和音の響きや和音機能に違いも生まれたりする訳です。
さて、この7度音程を加える4和音に他のパターンは無いのか?と言いますと他にも色々あるものでして。
実は知らない間に結構見かけているものもあるものです。

それがこちらの”マイナーセブンスフラッテッドフィフスコード”。
日本語に直すと”減五短七和音”と余計に分かり辛くなってしまう様な名のこのコードは、意外と目にする機会の多い4和音であります。
一応、Cm7-5の構成音は、”C”、”D♯”、”F♯”、”A♯”。
仮に、構成音を全て半音下げた状態を考えてみると、その構成は”B”、”D”、”F”、”A”。
そうです、ハ長調
ダイアトニックコードに含まれる”Bm7-5”であります。
もっとも、ギターでコードを弾くには少々大変な和音ですので、省略されてしまう事が多いのかもしれませんが、意外と遭遇する機会のある少し変わった形の4和音であります。

m7-5コードから、さらに4和音目を半音下げると
dim7コードになります。
”A”音を付加するという事は、
6コード(6♭5)じゃないのか?と疑問に思う方もいらっしゃるかと思いますが、一応”減7度”を加えた形と考えられます。
4つの構成音、全ての音程関係が短3度というかなり変わった4和音でありますが、実はこれもダイアトニックコードの中に出てきます。

dim7コードは
ハーモニックマイナースケールの7番目のダイアトニックコードとして登場する4和音です。
Cハーモニックマイナースケールで考えてみますと、Bdim7(※)がスケール上に現れます。
※ Bdim7 = B,D,F,G♯
これもまた、気づかない間に触れていたりする少し変わった4和音だと思います。
構成音程だけを考えると非常にややこしいこれらの4和音ですが、実際に聞いてみると意外な程違いが感じられるものだと思います。
いろいろ聞き比べるだけでもその面白さを感じられると思います。
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