以前、Bill Laurenceテレキャスター再生計画という記事を書いた事があるのですが、その際、調子の悪かった3wayスイッチをSCUD製YM-30という
3wayセレクターに交換しました。

その記事を書いて以来、「YM-30 配線」などの検索をかけて当ブログに辿りつく方がちらほらとみえるようになりました。
しかし、当ブログの記事は、写真を上げただけで詳細な接続について全く書いておりませんでしたので、目的とする情報は得られなかったのではないかと思います。
中途半端な記事を上げてしまい、申し訳なかったと思う事頻りです。
そこで、今一度、BOXタイプの3wayスイッチ、YM-30の機能を取りあげてみようと考えました。
簡単な配線図と合わせて、この3wayスイッチというものが、どういう仕組みなのか見ていこうと思います。

以前、アップしたYM-30に配線した様子がこれです。
8つの端子が横一列に並んでいるのがお分かり頂けると思います。
スイッチ本体には、この8つの端子に対応して、数字が振ってあります。
数字は0から3までの四種類。それぞれの数字が二つずつあり、合計8つの端子と対応しています。

この数字の並びを図に示すと、この様になります。
メーカーによっては、多少の違いや表裏の逆があるかもしれませんが、どれも同じような物だと思います。
三点のレバーの傾きによって、それに対応する端子がONになる仕組みです。
0番はレバーの位置に関係なく、常にONの状態です。
スイッチを左右に分けてみると、0から3まで二系統のチャンネルが存在する構造です。
二系統と言っても、右側の3だけONにするというような事は出来ず、常に左右同時に切り替わります。
一見、二系統は無駄に見えますが、これがあることによって色々な配線の工夫が出来る仕組みになっています。
では、もっとも単純な2ピックアップの配線の一例を見てみましょう。

常にONである0番を左右連結してボリュームポットへ接続。
フロントピックアップの+配線を1番と2番へ接続。
リアピックアップの+配線を2番と3番へそれぞれ配線します。
こうすると、レバーを倒した時にはそれぞれのピックアップが動作し、レバーを中央位置持ってくると、フロント・リア共に働く事となります。
3つのレバー位置をそれぞれ別のピックアップに接続する事も可能です。

3つのピックアップをそれぞれ1~3の端子に接続してやれば、単純なピックアップセレクターとして使えます。
図ではピックアップからの配線を左右に分割していますが、左右どちらか一方、片側にまとめて配線しても問題なく動作します。
但しこの配線では、当然フロント+センター等のミックストーンを出す事は出来ません。
そこで考え出されたのが5wayスイッチなのですが、こちらも3wayスイッチと同じで端子8つに違いはありません。
5wayスイッチに上記配線を施せば、ちゃんとフロント+センター/センター+リアのミックストーンを出す事が可能になります。
理屈は簡単、5wayスイッチに追加された中間のレバー位置は、1番端子+2番端子がONもしくは、2番端子+3番端子が同時にONになる仕組みになっているからです。
今回は、BOXタイプのスイッチを例にとりましたが、オープンタイプのスイッチでも基本構造は同じです。
国産品と海外製品では端子番号の配置が違う場合もありますが、仕様書が付属されているはずなので問題無いとおもわれます。
端子番号が不明な場合でも、レバーを動かしながらテスターで通電確認すれば仕様が確認出来ると思います。
非常に単純な構造のセレクタースイッチですが、二系統の回路をフルに活かした配線になっているギターも珍しくありません。
スイッチ位置によってダブルコイルをシングルコイルとして動作させる事が可能になっていたり、フェイズサウンドになるよう考えられていたりと、より複雑な創意工夫が成されている場合もあります。
宛ら、ちょっとしたパズルの様でもあります。

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