ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その98。
今回は、あまり見かけはしないもののこんな和音も存在しますというお話です。
和音の性格を決定する3度音程が根音からみて4度へと変化した形、
”sus4”(四度係留)は意外と見かけるものですが、その3度音程が逆に2度音程へと下がったパターンもあります。

すなわち”sus2”。
上記の場合、Csus2の構成音は”C”、”D”、”G”。
楽譜を見ての通り、ルート音の上に長2度であるD音がすぐ来てしまいますので、和音の響きという点ではあまり美しいものではないというのがお分かり頂けるかと思います。
響きの美しさというよりも重みがあり迫力のある和音だと言えます。

根音から見て2度関係の”D”音を1オクターブ上に転回してみましょう。
するとこんな形になります。
丁度、C+Gのパワーコードの上に、さらにG+Dのパワーコードが乗った様な姿。
この状態をみれば、sus2という少々特殊な和音が迫力ある響きになるのではないかというのが想像出来ると思います。

D音をオクターブ上へと転回した形を見て、既に気づかれた方も多いと思いますが、1オクターブ上のD音はすなわち、根音から見て長9度音程です。
となると、sus2に含まれるD音自体は、C+E+Gの長三和音の上に長9度を付加した形のC(add9)やC7(add9)などに利用されている音程だという見方も出来ます。
こうして考えれば、C+D+Gという音程の組み合わせが、左程無理あるものではないという事もお分かり頂けるでしょう。
しかしご承知のとおり、sus2という和音には和音の性質を決定付ける要素が含まれていませんので、使われ方としては限定的です。
ですが、ハードなディストーションギターなど、迫力ある響きが欲しい時などには意外と重宝する和音なのかもしれません。
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