今回のおもしろグッズは、またまたグッズというかギターそのもの。
ギターそのものですが、その製造過程、材料が面白い製品です。
昨日、
エレキギター材の未来という記事を書きました。
進歩著しい現代技術をもってすれば、材料価格も安くて、それでいて高級木材同等かそれ以上の音質を持つ材料が作れてしまうのではないか?という話でした。
しかし、材料価格が低価格であるという点に目を瞑ってしまえば、アルミニウム削り出しボディのTalboシリーズ等、新素材のギターというのは既に存在しています。
今回のおもしろグッズもまた、高級材料ではありますが、非木材。まさに未来の材料を使用したギターです。

オランダの工房、ARISTIDES INSTRUMENTSが製造する新素材ギター。アリスティデス 010です。
未来的デザインの見た目が強烈なインパクトを放つギターですが、問題はその素材。
アリスティデス・ポート氏により開発された「アリウム」なる新素材で作られています。
この新素材、アリウム - Arium - とは、高い強度を持つセラミックの一種であると説明されていますが、其の詳細は明らかにされていません。
これにより、優れたサスティンと鳴りを実現。
「ストラディバリウスにも匹敵すると言っても過言ではない」と公式に謳われている事から、この新素材に対するプライドと自信が感じられます。

更に面白いのは、その製造工程。
ペースト状のアリウムをギターの形のモールド(雛形)に流し込み成形。
この時点で、ボディ、ネックともに一体成形されることになります。
その後、パーツ取り付けの為の穴あけ加工や塗装が施され、完成となります。
指板はエボニー材。これを一体成形されたボディ+ネックに張り付けるわけですが、気になったのは、しっかりトラスロッドも仕込まれていると言う事です。
そう考えると、このアリウム素材。強度が高いと言えども、意外と柔軟性のある素材なのかもしれません。

こうして作りだされた、アリスティデス本体に組み込まれるパーツは、高級品揃い。
Seymour Duncan製ピックアップ、Graph Techのナット、Gotoh製ブリッジやSperzel製ロックペグ、ストラップピンは標準でSchaller製ロック式と、世界各国の有名パーツで彩られます。
未来的な新素材、名だたる高級パーツ群。
もう、何となく、そこら辺のギターとは価格が違うであろう事は想像出来てしまいましたね?
ご賢察どおり、アリスティデス 010。その価格は、40万円程いたします。

ミディアムスケール採用でローズウッド指板、Hipshot製ロックペグ、バダスタイプブリッジ・ノントレモロタイプのアリスティデス 020。
こちらでも売価は36万円程。
最近では、ハードテイル・ノントレモロのストラトタイプやFloydroseロックトレモロ搭載のモデルなども発表されましたが、どれも価格は40万円程。
未来志向、期待の新素材ではありますが、素人がホイホイ手を出せるような代物ではなさそうです。
音に拘り抜いた、プロの為の高級ギターという感じでしょうか。
木材並みの価格で、高品位な音響特性を発揮する素材というのは、まだまだ難しい様です。
ちなみに、アリスティデスでは、050というベースギターも製造しています。
価格は・・・もう止めておきます。


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