知っていると、少しだけためになるかもしれない小技。
今回の小技は、”技”というのもおこがましい”ぐうたら”なギター練習法のススメです。
普段真面目にギターに取り組んでいる方からすれば、この時点でお叱りを受けそうなテーマでありますが、生暖かい目で見て頂ければ幸いです。
このぐうたらなギター練習方法。これまで、長い期間にわたってギター練習をしてきた私ですが、その練習時間の中でもかなりの時間を割いてきた練習法であります。
一言で言えば簡単至極。寝転がりながらギターを弾くというものです。
カウチソファーなどに体を横たえギターを弾いているなんていう方ならば多いかと思いますが、この場合の寝転がりながらというのは、まさに布団やベッドに寝た姿勢という意味です。
そもそも、何故こんな事を始めたかといいますと、完全に
ジミー・ペイジがその理由であります。

若かりし頃のジミー・ペイジ。彼のスタイルとして思い浮かぶのが、腰の位置より低くギターを構え自在にかき鳴らすその姿。
エレキギターを始めた頃の私も、彼のそんな姿に憧れて真似をしようと試みてみた訳ですが、まあこれが弾きにくい。
いくらネックを立て気味にしてみようが左手のフィンガリングは覚束ず、人差し指のセーハを要するハイフレットのバレーコードなど押さえられたものではありません。
右手に目を向けてみれば、ひじを支点にするピッキングスタイルでは、ギターの位置が下がる事によって大きくその動きに違いがうまれ、まず円滑にピッキングする事は出来ません。
ならば、手首の回転によるピッキング主体にと考えても、右手が高い位置にあるのと低い位置にあるのとでは、若干の使う筋力の違いがあるのと柔軟性の関係でこれまた上手く行きません。
結論から言えば、ストラップを長くしギターを低く構えるスタイルは、普通ギター演奏に適さない状態な訳です。
実はジミー・ペイジは極端に腕が長いのか?なんてLED ZEPPELINのビデオを穴が開くほど眺めた私ですが、彼がエイリアンに見える程、極端で特殊な体型をしているようには見えませんでした。
どう転んでもジミー・ペイジの真似は出来ないかな・・・と諦めかけた私ですが、ふとある考えが頭を巡りました。
”弾きにくい状態”という事は、それを積極的にこなせば良い練習になるのではないか?と。
そう思い立った若かりし頃の私は、ジミー・ペイジ程ではないにせよ、普段よりストラップを少し長めにとり、ギター練習を始めました。
自宅でも。スタジオでも。常に弾きにくいとは感じながらも練習の為と割り切り、長めのストラップでギターを弾き続けました。
すると、徐々に演奏の為の筋力も養われ、柔軟性も増し、ギターを低く設定した状態でも少しずつ弾けるようになって行き、はじめの頃よりもストラップを長くする事も可能になっていきました。
しかし、どんな楽曲・フレーズでも低く構えた状態で弾くというのは難しい場合もあり、その都度ストラップを短くしたり、複数本の長さの違うストラップを用意しておいたりして対処していました。
長めのストラップで練習するという方法。ジミー・ペイジ程の高さにギターを構えたいなんて考えなくなってからも、良い練習になると続けていたのですが、一つ問題は面倒な事です。
一々ストラップの長さを変えたり、ストラップを付け替えたり、何より自宅練習でも立ったまま練習しなければなりません。
ある日、自宅でストラップを長めに練習していた私。
夏バテか何かで疲れ果て、ベットに倒れ込みました。
ギター練習も楽じゃないななんて考えながらお腹の上に乗ったギターを何気なく弾いて思いました。
「これでいいんじゃない?」
ベットに寝そべった状態で、自分のお腹の上にギターを置き弾いてみると、これがなかなか、立ってストラップをつけて演奏するのと似ているという事に気が付きました。
更に良い所は、寝転がってしまえば、ストラップは必要ない上に、自由にギターを構える高さを試行出来るという事です。
ちょっと厳しいかなと思えるギターの高さでも、ストラップの長さを変える手間なく試す事が出来ます。
常時立って練習する必要もないので、体力的にも楽ちんです。(基礎体力鍛錬という観点から見ればマイナスですが)
こうして、なんとも”ぐうたら”なギター練習を始めた私。
あれから数十年。今だ、風呂上りや就寝前にそんな”ぐうたら”な練習をし続けています。
疲れ果ててそのまま寝てしまい、目が覚めた時にもギターがお腹の上に載っているなんていう”悲惨なオヤジ”の姿を家族に晒してしまう事も偶にはありますが、気楽にギター練習出来るのは良いと思っています。
普段、あまり低い位置にギターを構えた事が無いという方でも、寝転がりながらであれば簡単に試す事が出来ますし、少し弾きにくい状態のギターを練習することで、ギター演奏に必要な柔軟性のトレーニングにもなると思います。
唯一つ、注意していただきたいのは、極端にギターを低く構えるとそれだけ手指にかかる負担は大きくなりますので、いきなり極端にきつい姿勢でギターを弾くと怪我の原因になります。
柔軟性を上げる為の負荷練習と考えても、少しずつゆっくり試していく事が大切だと思います。
このぐうたらな練習を続けていけば、数か月後には下っ腹の上にギターを置いた状態で演奏も可能になるかもしれません。
しかし、その場合でもフィンガリングやピッキングがあまりに特異な動きにならない様チェックしながら望む必要があるのは言うまでもありません。
そうする事で、普段演奏しているようなギターの高さに戻した場合でも、余裕をもって演奏出来るようになるかと思います。

Marshall / MG2CFX

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