薄型ボディ採用のレスポールLightやフライングV120等、注目すべき創立120周年記念モデルが次々と登場しているGibson
2014 Limited Run製品。

Gibson USA / 2014 Limited Run Les Paul Standard Light
また新たに、少々珍しいモデルが2014 Limited Runとして登場するようです。
そのモデルとは、僅か2年ほど生産されただけで生産中止になってしまったレアな一品。
Gibson「RD」です。

Gibson RDは、1970年代後半に登場したモデルで、Gibson社と
Moogエフェクターでも知られるモーグ・シンセサイザーの産みの親、ロバート・モーグ氏が共同開発したギターです。
オリジナルRDは、Gibson製品としては珍しいメイプルボディにメイプルネック、レギュラースケール採用。
RD最上位機種Artistには、モーグ氏開発のイコライザーやコンプレッサー/エキスパンダー(コンプレッサーとは逆の働きをするブースター的なエフェクト)が内蔵され、2ボリューム・2トーン・2トグルスイッチ搭載というなかなか厳つい機種でありました。
ファイヤーバードモデルを思わせる特徴あるデザインのRD。
我が国では、2004年に惜しまれつつも解散した「THE YELLOW MONKEY」のギタリスト、菊地英昭氏が使用していたモデルとしても知られていますので、見かけた事があると言う方もいらっしゃるのではないかと思います。

そんなレアなモデル「RD」が2014 Limited Runとして登場した訳ですが、色々と見て行くと「RD」でありながら、全くの別物。新型と呼んでもおかしくない「新RD」として生まれ変わっている様です。
先ず2014年モデルRDでは、ボディやネックのマテリアルがメイプルからマホガニーへと変更されている点。
硬く重い材として知られるメイプルからGibson伝統とも言えるマホガニー材へと変更になった事で、ジャキジャキとした音質と言われていたRDモデルのトーンは大きく変化した事でしょう。
ネックスケールについては、公式スペックに記載は無く不明な部分ですが、2000年代に入りJapan Limited Runとして復刻されたRDモデルが、マホガニー材使用のミディアムスケールであった経緯から、今回もミディアムスケール採用なのではないか?という予想が出来ます。
そうなると、マホガニーボディ・マホガニーネック・ミディアムスケール・チューンオーマチックブリッジと言う構造、Gibson伝統のトーンキャラクターに近いギターに仕上がっているのではないかと想像出来ます。
"GEM" Gibson Activeピックアップ採用で、9Vバッテリーが必要なのはオリジナルRDと変わりませんが、今回のモデルにはコンプレッサー等のエフェクトは搭載されておらず、スタンダードな回路構成になっています。
したがって、2ボリューム・1トーン・3Wayトグルスイッチ一つのみとこれまたGibson伝統といったコントロール系にまとまっております。

CustomやStandard等の別仕様も製造されていた事のあるRD。
今回の2014年Limited Runモデルでは最上位機種であるRD Artistとして発売されます。
内部回路も変更され、仕様も大幅に変わり、何を持って最上位機種”Artist”とするか少し良く分からなくもありますが、ヘッドにはGibsonロゴと共に”Flying F-hole”の装飾が施され、ブロックインレイ採用、もちろん12フレットには120周年記念インレイが入れられ、テールピースにはファインチューナー付のGibson TP-6 Stop Barが採用されています。
それらの点を踏まえれば、最上位機種”Artist”の名に恥じぬ豪華な仕様と思えます。
オリジナルのRDがGibsonらしからぬクセを持ったギターであっただけに、この仕様変更には賛否があるとは思いますが、Gibson伝統の仕様に近づいた新RDは新たなスタンダードモデルとしての可能性を感じられる製品に仕上がっていると思います。
個人的には、Limited Runとしておくのが勿体ない位のモデルだと思いました。
人気モデルの仲間入りを果たし、将来的にはレギュラーラインナップとして発売される様になると良いなと思えるモデルであります。

Gibson USA / 2014 Limited Run Explorer 120

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