ギターを弾く上で知っておくとお得な楽典その31。
前回に続きまして、良く有る転調のパターンその2です。
前回の内容「平行調”への転調」に続いて良く有るパターンと言えるのが「近親調への転調」です。
近親調というのは、circle of fifths(五度圏)表に於いて隣り合う調の事です。
以前も利用しました、五度圏表を簡略化した図で確認してみましょう。

ハ長調(Cメジャーキー)の近親調はというと、隣り合うト長調(G major)もしくは、ヘ長調(F major)。
短調で考えるならば、イ短調(Aマイナーキー)の近親調は、ホ短調(E minor)もしくは、ロ短調(D minor)となります。
図にも示してありますように、主調から完全五度上か完全四度下が基調となる変化という事になります。
それでは先ず、ハ長調(C major)から四度下のヘ長調(F major)への転調を考えてみましょう。

非常にシンプルな例ですが、ポイントとなるのはやはりドミナントセブンス。
ハ長調ダイアトニックコードには存在しないC7をFの前に挟む事によって、ヘ長調へ転調しているパターンです。
ドミナントセブンスコードC7は、ヘ長調として考えるとV7にあたるコードですので、C7→F(V7→Ⅰ)とドミナントモーションを起こしている形となります。
ハ長調から始まり、近親調であるヘ長調へと転調しているケースです。
次に、ハ長調(C major)から五度上のト長調(G major)への転調。

一見、C→Dm→G7というツーファイブ進行と似ていますが、良く見てみるとDのコードはドミナントセブンスであり、Gのコードは通常のメジャーコードです。
つまりは、ここでもD7(V)→G(Ⅰ)というドミナントモーションが起きている事となります。(内の数字はト長調から見た数値)
これもやはり、ハ長調から始まり、近親調であるト長調へと転調しているケースです。
前回出て来ました「ピポットコード」。
転調を起こす双方のダイアトニックコードに共通なコードを利用し、コード進行/転調を円滑に行うために挿入されるコードです。
ピポットコードを利用し、更に転調を円滑なものにしようと考えてみると

C→Am7→D7→G。こんな形になります。
Am7コードは、ハ長調として見るとⅥm7、コード機能としてはトニックコードの代理コード。
ト長調から見るとⅡm7、サブドミナントの代理コード。
ト長調側からみると、Am7→D7→Gは、Ⅱ→Ⅴ→Ⅰのツーファイブ(ツーファイブワン)進行と解釈出来ます。
次回は、前回出て来ました平行調への転調と今回の近親調への転調を組み合わせた形、「近親調の平行調への転調」です。
- 関連記事
-
スポンサーサイト