今回取り上げますのは、新たに発売されるDIボックス。

RUPERT NEVE DESIGNS 「RNDI」という製品です。
「ルパート・ニーヴ」・・・そう、以前発売された
「Bogner」高級ストンプペダルに搭載されたコイルトランスをデザインしたお方。
オーディオ界でレジェンド・神様と崇められる方の制作したDIボックスです。
「世の中の数あるDIの性能に満足していなかったルパート・ニーヴ氏は~」というある意味お決まり文句の様なお言葉から産みだされたこちら。
神の耳を持つお方だからこそ、目指す物は神の領域、その頂。
音楽機器業界で良く見かける言葉、”楽器本来のトーン”を極限まで追求していく姿勢が産みだした製品だと言えます。
改めて、「DIボックスってどういう物?」という方の為に簡単にご説明致しますと、通常のパッシブピックアップ搭載エレキギター/ベースから出力される信号はハイインピーダンスと呼ばれる信号です。(アクティブピックアップ搭載型はローインピーダンス信号を出力します)
ハイインピーダンス信号はノイズを拾い易いという性質があり、シールドケーブルが長くなったりするほど音質劣化を起こしやすい信号です。
ならば、ノイズに強いローインピーダンス信号に変換してやれば音質劣化が防げる訳ですが、方法は色々あります。
最も身近な信号のローインピーダンス化と言うと、バッファーボックスを通すかバッファー搭載のエフェクターを通す事です。これで、楽器から出力された信号はローインピーダンス化されます。(バッファー搭載型エフェクターであっても、トゥルーバイパス仕様の場合、エフェクターをバイパスしてしまえばローインピーダンス化はされません)
極端な話、シンプルなセッティングの方やハイゲインを使わないと言う方はそこまで気にする問題では無いかもしれません。(あくまで本人がノイズや音質劣化を許容できるかどうかの問題です。)
そして、もう一つの問題があるとすれば、ミキサーなどに信号を直接出力する際、機器に「HI-Z」(ハイインピーダンスを直接受け取れる機能)が無い場合に信号ロスが発生してしまう事です。
その場合、何等かの方法で信号をローインピーダンス化してやる必要があります。
そうした、信号のローインピーダンス化の一つの方法としてDIボックスが活躍します。
バッファーボックスやエフェクターで事が足りるなら何故あえてDIボックスを?とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、良くバッファーボックスの売り文句に”原音に忠実な”という表現が付いてまわりますが、バッファー自体にクセ(音質/キャラクター)が感じられる物が多いのも事実です。
「通せば、音が変わってしまう」。それを嫌う拘り派の方も沢山いらっしゃると言う事ですね。
「ルパート・ニーヴ」氏もきっとそんな点が気になるのでしょう。

そして生まれた「RNDI」。
本体駆動は、48Vファンタム電源によって行われます。
本体前面には、INPUTとTHRUアウト。
1000Wクラスのパワーアンプからの信号を直接受け取る事も可能な「スピーカーモード」を搭載。
背面には、グランドリフトスイッチを配備。(ノイズ低減の為の機能)
必要な機能をシンプルにまとめた、実に機能的なスタイルです。
神の領域を知る者が産みだした製品ですから、私の様な素人にはちょっと理解不可能なレベルの機器だと思います。
しかし、その域を知る者にとっては神の啓示と言える製品になるのかもしれません。
ちなみに、神様「ルパート・ニーヴ」氏は、御年88歳。
衰えを知らない神の耳。その強靱さにも驚かされるばかりです。

BOSS / DI-1 Direct Box

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