気になるギタリスト58回目。
今回はある意味タイムリーなお方。
今年12月に来日公演を控えるイギリスのプログレッシヴロックバンド「King Crimson」のギタリスト「エイドリアン・ブリュー」です。

「
スティーヴ・ヴァイ」等と同じように鬼才「フランク・ザッパ」に師事した一人として知られる彼が持つキャリアはとにかく多彩。
有名アーティストとの共演やアルバム参加など、ポップ/ロック史に於いて大車輪の活躍をしてきたギタリストの一人であります。

師であるフランク・ザッパのアルバム参加はもちろんの事、デヴィッド・ボウイやトーキングヘッズ、シンディ・ローパーや坂本龍一氏など、世界の名だたるミュージシャンの楽曲制作に参加して来た、まさに変幻自在の大御所ギタリストです。

1980年代から、ソロアルバムも多数発表してきた彼。
その作風は多彩でポップなアルバムから実験的なインストゥルメンタルアルバムまで、スタイルに囚われない自由な創作活動が目立ちます。
1990年、日本の企業CMに登場した際には、ギターでニワトリや象の鳴き声を再現して見せたエイドリアン・ブリューが登場しました。
自由な作風と奇抜なアイディア。
エレキギターと言う楽器でどんな事が可能なのか、常に模索する彼の姿勢が垣間見えます。

アメリカのインダストリアルロックバンド「Nine Inch Nails」のアルバム制作にも参加してきたブリュー。
2013年に正式メンバーとして加入したという話が出た時には大変興奮したものですが、どうやらこれは上手く行かなかった模様。
後に脱退した事が発表されました。
重く激しい楽曲はもとより、変幻自在な変化を見せる「Nine Inch Nails」の中でブリューがどんな活躍をしてくれるのか楽しみだっただけに残念な出来事でした。

フランク・ザッパに縁のある人物、そしてプログレッシヴロックバンドのギタリストである彼は当然の様に非常にテクニカルなギタリストです。
テクニカルと言うと派手な速弾きというイメージを抱く方も多いかと思いますが、それとはまた違ったテクニカル。
速いフレーズもこなせ、更に難解なフレーズも弾きこなすと言う点ではやはりスティーヴ・ヴァイと似ていると考えられますが、タイプとしては別物です。
そういった点でも非常に個性溢れるギタリストだと感じます。
ギター演奏中の彼はとにかく楽しそう。
それでいて、フィンガリングが大変綺麗だと感じるギタリストです。
無駄のない最小限の動き、しっかりとしたミュート動作。
目指すべきはここなのか?お手本とすべき演奏動作はこれではないのか?と何時も魅入ってしまう見事さです。
彼自身の音楽世界を追求する姿勢。
そのせいかあまりテクニカルであると見られない傾向にあるかもしれませんが、実は類稀なるテクニックを持つギタリストなのだと思います。
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